4月7日水曜日の午後、珈琲オッタを会場に、
6回目の地球の芽サロンを開催しました。
今回のテーマは、「人と人とをつなぐお金の仕組み」。
ベルギーから来日中の地域通貨の権威、
ベルナルド・リエター氏を講師にお迎えして、
お金の働きや、新しいお金の仕組みを
上手に取り入れている世界各地での事例について、
そして、小舟木エコ村での可能性についてお話を伺いました。
今回のサロンには、小舟木エコ村の公園に花を植えたり、
ボランティア活動を実践されている方々をはじめ、
大人6名+子どもたちが参加してくれました。
お金の働き
これまで25年間、お金の仕組みにかかわってきた
というリエターさん、なんとユーロの立ち上げにも
かかわったというすごい方なのです。
最初に、「お金の性質」についてお話いただきました。
お金の形態が変われば、人と人との関係性も変わってきます。
たとえば、円のような法定通貨は、商業活動を促進していることには
適しているけれど、コミュニティや家庭ではうまく機能しないもの。
1つの通貨しかないのが当たり前だという固定観念があるけれど、
目的に応じて様々な通貨を使い分けることができれば、
社会をもっといい状態に保つことができるのです。
コミュニティ通貨(もしくは社会的な目的のための通貨)の取り組みは、
世界で1000以上もの事例があります。
もし、小舟木エコ村で新しいコミュニティ通貨を始めたい、というのであれば、
「何のためにその通貨を使いたいのか?」をきちんと確認することから
始めなければいけません。介護、子育て、住環境の改善など、
コミュニティの目的に応じて、少しずつ仕組みが違います。
コミュニティにいる人全員が受け入れられるような「目的」を確認したうえで
仕組みをつくることで、行動パターンを変えるための「教育ツール」としての
最高の効果を発揮することができるのです。
小舟木エコ村での可能性
たとえば、小舟木エコ村では自治会を基盤として、新しいコミュニティ通貨を
始めるときには、次のようなステップで話を進めていくのはどうでしょうか?
1.どんな町にしたいか、共通の目的を定める
2.そのために実施するプロジェクトを計画する
3.そのプロジェクトに参加した報酬として独自の通貨を発行する
たとえば「緑あふれるエコ村にしたい」という目標を掲げて、
公園に500本の木を植えていこう、とか、木を育てるための
堆肥を皆でつくろう、とか、草取りや芝刈りをしてきれいに保とう、など、
いくつかのプロジェクトの立ち上げを決定します。
エコ村に住んでいる各家族は必ず活動に毎年10時間参加する、
ということを義務付けて、自分の得意な分野のプロジェクトを選んで、
家族の誰か1人が参加してもらうようにします。
活動に参加した人は時間数に応じて相当する通貨を受け取ります。
一方、仕事があったり、体調が悪かったり、様々な理由でなかなか
活動に参加できない人は、近所の方に代わりに自分の時間分も
活動をしてもらう代わりに、別の作業をやってあげることで相当する
単位の通貨をもらって、自治会に納めます。
こうした通貨を活用している自治会では、「円」で払う
通常の自治会費を扱う会計係と、
「時間」を基準に活動参加度を確認する担当者と、
2つに分けて運営することになるでしょう。
導入してしばらくは、こうしたやりとりをするのに新しい通貨を使う
必要があると思いますが、みんながそういうやりとりに慣れてきたら、
いつのまにか通貨を使わなくても同じような関係性を築いていくことが
できる日が来ると思います。
どうでしょう?皆さんがこうした通貨を使っている
イメージはわいてくるでしょうか?
世界のコミュニティ通貨の事例
参考に、世界の取り組み事例をいくつか紹介したいと思います。
一番大きいところでは、5000世帯くらい、典型的なところでは、
50-200世帯くらいのコミュニティでこのような通貨が使われています。
たとえば、インドネシアのバリ島(人口300万人)では、1200年前から
二重通貨システムが成り立っています。
ハワイ、タヒチでは観光客の増大で島民のアイデンティティが
失われてしまったけれど、バリ島では、「地域通貨」があったことで、
コミュニティ内の伝統的な協働作業や祭事を守ることができました。
(参加者からの「日本ではどんな取り組みがあるの?」という質問に答えて)
バリ島の事例は、時間に基づいた通貨の仕組みでしたが、日本では
LETS(Local Exchange Trading System)という形のコミュニティ通貨による
取り組みが大多数を占めています。
何か共通の目的を達成しようをしようという先ほどの通貨と比べて、
LETSの場合は、相互のやりとりを促進する、ということを目的としています。
たとえば、湯布院で使われている「yufu」などがありますが、
500人程度の地理的なコミュニティ、テーマコミュニティで流通するもので、
大規模に展開するのは難しいものです。
また、ふれあい福祉財団の提唱によって各地で展開された
「ふれあい切符制度」も面白い取り組みです。高齢化社会が問題に
なりつつありますが、身近なお年寄りや障害者の方の世話をすることで、
代わりに遠い故郷にいる親類の世話をしてもらうことができる、
そんな仕組みもあるそうです。
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コミュニティ通貨を活用したいと思ったときに、様々なやり方がありますが、
そのときに一番大事なことは、民主的な意思決定の仕組みがあること。
皆で取り組むプロジェクトの内容や、その推進リーダーを毎年決定していく
プロセスや、通貨を発行するルール、そのルールを変える方法についての
合意も皆で話し合って決めることが大切だそうです。
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終わり際に参加者の皆さんに質問してみたところ
「本当に実現できるかちょっと自信はないけれど、面白そうな仕組みなので、
ぜひチャレンジしてみたいです」と言ってくれた住民の方もいらっしゃいました。
ぜひ今回参加してくださった方たちが中心になって、新しい試みが少しずつ
広がっていくことを楽しみにしつつ、その際にはぜひ私もその取り組みを
応援させてもらえればと思います。
<リエターさんを囲んで、参加者の皆さんと記念撮影>
(高田友美)


先日参加させて頂きました津田正顕【號称塾】です。
非常に勉強になりましてありがとうございました。
数年前から人と人を日常的につなぐ仕組みを考えていたのですが、まさに補完通貨が最適だということを痛感しました。
また話は大きく変わりますが、びわこJazz Festivalでの演奏、ありがとうございました。是非そちらでもよろしくお願い申し上げます(笑)。
先日はサロンへの参加、ありがとうございました。(&Jazz Festivalでもお世話になりました♪)
かつては日本各地であった地域通貨の取り組みも最近ではあまり見かけなくなってしまいましたが、リエターさんいわく、いろいろ制度設計上の問題があったとのこと。
新たな視点で補完通貨の活用を検討していければと思います。ぜひまた津田さんの構想もお聞かせください!