今、230万部を越えてなお売れ続けている
「バカの壁」の著者、養老孟司さん。
彼は、その最近の著作 『いちばん大事なこと』 の中で、
人間と自然について、繰り返し述べています。
都市は、意識が作り出したもの。
意識が作り出したものでないのが自然。
北京の蝶々に例えられるように、
"ああすれば、こうなる"というルールが通用しない自然を怖れ、
意識的に排除していった結果できあがったものが、都市である、と。
養老さんは、やみくもに自然保護を叫ぶのではなく、
今の、地球上での人間の位置を冷静に見つめます。
私たちはいまだに、
自然界の基本要素である細胞さえつくりだすことはできない。
私たちは分解する科学こそ発展させてはきたが、
システムを理解するという点においては、ほとんど無力に近い。
今の私たちが、自然のシステムを把握しきれないことを理解する。
自然界にはりめぐらされたネットワークや、その上に成り立つバランスを
私たちは100% 理論的に理解することができない、
自分たちの行為の結果が予測できない。そのことを理解する。
それは、実は自然と上手に付き合ってきた私たち日本人の文化の中で、
しっかりと培われてきた哲学であり、
しかも今、急ぎ足で私たちが忘れ去ろうとしているものでもあります。
いま日本が、転換期を迎える世界のために
思い出さなければいけないこと。
それに心から気付けた時に、
「エコリテラシー」に代わる、心に響く日本の言葉を、
私たちは見つけられるのかもかもしれません。


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